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不動産の価値を0と評価して、不動産以外の財産は2分割した事例

依頼者属性 50代男性
相手方属性 50代男性

事案の概要

被相続人は依頼者の父であり、相続人は依頼者と弟の 2 人でした。
遺産としては、預貯金、有価証券、不動産がありましたが、不動産は農地のみで、売却することが困難な状況でした。

依頼者は不動産を取得しても良いと考えていましたが、売却が困難であるため、不動産以外の遺産を分割するにあたり、不動産の価値を0と評価してもらうことを希望していました。

また、葬儀や四十九日法要の費用は依頼者が負担していましたが、これらの費用についても、遺産分割にあたって考慮してもらうことを希望していました。

弁護士の対応

依頼を受けた後、相手方の代理人と分割方法について協議しました。
協議の結果、葬儀や四十九日法要の費用については、遺産からまず控除することで合意しました。

そして、不動産は依頼者が取得することになりましたが、不動産が農地であり、売却が困難であるという事情を踏まえ、不動産の評価額を0とし、不動産以外の遺産から葬儀費用などを控除した金額の2分の1をそれぞれの相続人が取得することで合意しました。

担当弁護士のコメント

不動産の時価額を決めるにあたって、固定資産評価額を参考にすることがあります。
一般的に、固定資産評価額は時価額よりも低いと言われていますが、立地や地目などから売却が困難である不動産や、売却できたとしても、固定資産評価額よりも低い価格でしか売却できない不動産もあります。

売却が困難な不動産が遺産にある場合には、本件のように不動産の価値を0と評価したり、固定資産評価額よりも低く不動産を評価した上で、遺産分割を行うこともあります。

また、葬儀や四十九日法要の費用は、相続開始後に発生したものであることから、当然のように遺産から控除できるものではありませんが、他の相続人が合意すれば、遺産から控除した上で、残った財産について遺産分割を行うことが可能です。(担当弁護士 江畑博之)

掲載日:2024年10月15日

 

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