寄与分が認められる類型
質 問
寄与分が認められる類型としてはどのようなものがありますか。
回 答
寄与分が認められる類型としては、①被相続人の事業にしていた場合(家業従事型)、②被相続人に財産を給付していた場合(財産給付型)、③被相続人を介護していた場合(看護療養型)などがあります。
家業従事型とはどのような場合ですか。
相談者
美咲総合法律税務事務所
これは、被相続人の行っていた事業、例えば農業等に対して、相続人も一緒になって事業を行うなどの労務提供を行っていた場合に、それを寄与分として評価するものです。
財産給付型とはどのような場合ですか。
相談者
美咲総合法律税務事務所
これは、被相続人が不動産を購入するにあたって、相続人が不動産の購入代金の一部を支払っていたような場合には、相続人の援助によって被相続人の財産が維持または増加しているわけですから、それを寄与分として評価するものです。
看護療養型とはどのような場合ですか。
相談者
美咲総合法律税務事務所
これは、被相続人がお亡くなりになる前に、介護が必要な状況になり、相続人が介護を行っていたような場合に、それを寄与分として評価するものです。
寄与分が認められる要件というようなものはあるのでしょうか。
相談者
美咲総合法律税務事務所
寄与分の類型ごとに要件は異なりますが、重要なのは、寄与分は民法上「特別の寄与」があった場合に認められるとされていますから、被相続人と相続人の身分関係に基づいて通常期待されるような程度を超える貢献である必要があります。
事型や看護療養型でいえば、単に協力した、面倒を見たという程度を超えて、相当な負担となる貢献を長期間に渡って行っていることが必要です。
もちろん、必要となる負担の程度や期間は事案ごとにケースバイケースです。
美咲総合法律税務事務所
また、相続人が、相続人の貢献に相当する対価を被相続人から受け取っていたような場合には、寄与分が否定されます。家業従事型でいえば、提供した労務に相応する給与等を受け取っていた場合には、すでに寄与の対価を受け取っていることになるため、寄与分は認められません。
対価を受け取っていたとしても、それが相続人の貢献に見合っていない場合には、対価を超える部分については、寄与分が認められる可能性があります。