養子の相続権
質 問
先日、私の実父が亡くなりました。
私は養子縁組をしており養父がいますが、このような場合でも、実父について相続権を持つのでしょうか。
また、ほかに養子縁組と相続に関して、注意しなければならないことはありますか。
回 答
普通養子の場合には、養子は実親の相続と養親の相続との双方について、相続権を持ちます。
他方で、特別養子の場合には、養子縁組によって実親との親族関係は終了しますので、養子は実親の相続について相続権を持ちません。
養子縁組と相続に関して注意すべき点としては、代襲相続がかかわる場合には注意が必要です。
特別養子とは何ですか?
相談者
美咲総合法律税務事務所
普通養子は、当事者の意思に基づき、比較的自由に行われるものであるのに対し、特別養子縁組は、父母による養子となる者の監護が著しく困難であったりする場合等に、子の福祉のために、家庭裁判所の審判によって成立するものです。
美咲総合法律税務事務所
特別養子縁組の審判が確定すると、養子と実親との親族関係は終了します(民法817条の9)。
社会一般で行われている養子は、普通養子が多いという理解でよいですか?
相談者
美咲総合法律税務事務所
よいと思います。このように特別養子の場合には、養子と実親との親族関係は終了していますので、養子は実親の相続に関して相続権を有しないことになります。これに対して、普通養子の場合には、養子縁組を行っても実親との親族関係は存続するため、養子は実親の相続に関しても相続権を持ちます。
代襲相続がかかわる場合の注意点とはどのようなことですか?
相談者
美咲総合法律税務事務所
代襲相続とは、大まかにいうと、祖父が亡くなったが、父が祖父よりも前に亡くなっているような場合には、その子(祖父からいうと孫)が相続人になるというものです(詳しくは、代襲相続(孫が相続人となる場合)を参照)。