相続財産の調査方法とは?どれくらい時間がかかるの?
相続人や相続財産を「正しく調査し把握すること」は「家族の縁」を守るためにとても重要です。当事務所では遺産分割を始めるときに必要になる「相続人の範囲」(どなたが相続人か・相続人は何名か)と「相続財産の額・種類」と「遺言の有無」を調査し、それを元にご依頼者様のとるべき遺産分割の方針をご提案させていただくサービスをご用意しています。
相続人調査
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を取得し、そこに出てくる配偶者、子、父母、兄弟姉妹という相続人になりうる者に着目し、相続人を確定させます。
戸籍謄本を取得するためには、被相続人の本籍地が分かっている必要があります。そこで、被相続人の最後の本籍地が分かる場合には、最後の本籍地のある市町村役場で死亡時の戸籍謄本を取得します。
相続人に連絡が取れない・行方不明の人がいる場合
相続人の一部を除いて行われた遺産分割協議は無効です。
相続人に行方不明の人がいる場合、まずは相続人調査を行い、その人の本籍地を確認し、本籍地の市町村役場に戸籍の附票を請求するのが必要です。
現地調査を行い、どうやってもその人の所在や連絡先が分からないということであれば、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立てることを検討する必要があります。
相続財産調査
相続財産調査は行った方がよい。ご家族の方がなくなったとき,その方の財産を正確に把握していないことがよくあります。かりに,自宅にある資料だけで相続財産を判断し,遺産分割協議書を作成し,その後新たな財産が出てきた場合,その新しく発見された財産について再度遺産分割を行わなければならない場合もあります。また,相続税の申告も不正確なものとなってしまいます。
これでは煩雑ですし,相続人間のトラブルに発展しかねません。
こういったことから,相続財産の調査は行った方がよい場合があります。
以下では,財産の種類に応じて,調査方法をご紹介します。
不動産について
自宅に「権利証」や「登記識別情報通知」がないかを探しましょう。
また,被相続人が不動産を所有している場合,固定資産税の納税通知書が届きます。ここに不動産の情報が記載されています。この納税通知書も併せて探してみましょう。
しかし,これらの資料が何らかの理由で発見できない場合には,市役所や町村役場で固定資産台帳(名寄帳)を取得します。
固定資産台帳(名寄帳)には,被相続人が所有している不動産が一覧となって記載されています。
しかし,当該市町村内に所在する不動産の情報しか取得することはできません。そのため,複数の不動産を所有しており,それぞれが別の市町村に所在する場合,各市町村に対して請求しなければなりません。
預貯金について
通帳やキャッシュカードが保管されている場合は,それをもとに相続財産を把握します。
しかし,通帳が保管されていないことがままあります。
そういった場合,各金融機関に対し「残高証明書」や「取引履歴」「取引明細書」の発行を依頼します。特に,相続人の一人が預貯金を使い込んでいることが疑われる場合には,取引履歴が重要な資料となることがあります。もちろん,これは金融機関ごとに依頼しなければなりません。
なお,取引履歴は,金融機関によって異なりますが,おおむね10年前のものまで取得できる場合が多いです。
生前に解約された口座であっても,「平成●年●月●日解約済み」と回答してくれる金融機関もあります。
有価証券(株,債券など)
有価証券を預けている可能性のある証券会社に対して取引履歴の照会を依頼します。ご自宅に有価証券の運用報告書等が届いていれば,当該証券会社に保管していることが考えられます。
また,有価証券の場合,価値が変動していきますが,亡くなった日の価格を示す資料を開示してくれる場合もあります。
但し,非上場株式の場合は異なります。知人の会社立ち上げに出資しているようなケースでは,証券会社に聞いてもわかりません。
こういった場合,被相続人のお知り合いの方から交友関係を聴き取り,会社に出資したことがあるかどうか等を聞いてみましょう。
生命保険について
まずご自宅に保険証券がないか,保険外交員の名刺が保管されていないか,預貯金通帳から保険会社の名で引き落としがされていないか等を確認します。
保険会社を特定で着たら,各保険会社に対して照会をします。
弁護士に依頼することもできる
以上の説明をみて,「めんどくさい」と思った方は少なくないはずです。
平日の昼間に仕事を休むことが難しい場合もあるでしょうし,被相続人とは離れて生活している場合には,対応が難しい場合もあります。
当事務所は,こういった財産調査もお請けしておりますので,まずはお気軽にお問い合わせください。