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補助とは

質 問

成年後見制度の「補助」という類型について教えてください。

回 答

被補助人とは、精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者で、
家庭裁判所より補助開始の審判を受けたものをいいます(民法15条、16条)。

「精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者」とはどういう場合ですか?
相談者
相談者
美咲総合法律税務事務所
美咲総合法律税務事務所
不動産の売買といった重要な法律行為について、一応ひとりでできるものの、適切に行えない可能性がある、不安があるので、他人の援助を受けたほうがよいという程度の判断能力を有する場合です。

成年後見制度の3つの類型のうち、保佐は3番目に本人の判断能力が低い場合の類型です。ここに該当するかどうかは、ケースバイケースの判断が必要です。

これは誰が判断するんですか?
相談者
相談者
美咲総合法律税務事務所
美咲総合法律税務事務所
医師の診断書やその他の資料をもとに、家庭裁判所が判断します。
家庭裁判所が「補助人」を選任することになります(民法16条、876条の17第1項)。
本人が知らないうちに手続が進む・・
なんてことはないですよね?
相談者
相談者
美咲総合法律税務事務所
美咲総合法律税務事務所
補助開始の審判をするには、法律上、本人の同意が必要とされています(民法15条2項)。
この本人の同意が得られなければ、いくら補助人が必要だとしても、補助人が付されることはありませんので、ご安心ください。
被補助人になった場合、成年後見の場合と一緒で、資格制限はありますか?
相談者
相談者
美咲総合法律税務事務所
美咲総合法律税務事務所
いえ、成年後見や保佐とは違って、医師や税理士等の資格制限はありません。
それら以外に、補助人の制度の特徴はありますか。
相談者
相談者
美咲総合法律税務事務所
美咲総合法律税務事務所
後見と違って、画一的に行為制限がされるわけではありません。補助開始申立てをするときに、別途、同意を要する行為を定める審判や代理権を付与する審判を一緒に申立てます(民法15条3項)。

なお、家庭裁判所が公表している申立書の書式では、これらの審判の申立てを行う場合、チェック式になっていますので、何通も申立書を作らなければいけないわけではありません。

 

【民法】
第15条
精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人又は検察官の請求により、補助開始の審判をすることができる。ただし、第七条又は第十一条本文に規定する原因がある者については、この限りでない。
2 本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには、本人の同意がなければならない。
3 補助開始の審判は、第十七条第一項の審判又は第八百七十六条の九第一項の審判とともにしなければならない。

第16条
補助開始の審判を受けた者は、被補助人とし、これに補助人を付する。

第17条
家庭裁判所は、第15条第一項本文に規定する者又は補助人若しくは補助監督人の請求により、被補助人が特定の法律行為をするにはその補助人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、その審判によりその同意を得なければならないものとすることができる行為は、第13条第一項に規定する行為の一部に限る。
2 本人以外の者の請求により前項の審判をするには、本人の同意がなければならない。
3 補助人の同意を得なければならない行為について、補助人が被補助人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被補助人の請求により、補助人の同意に代わる許可を与えることができる。
4 補助人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。

 

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