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テレビドラマの弁護士を見て思う事 弁護士 江幡 賢

ドラマ【99.9-刑事専門弁護士-SEASONⅡ】とは

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皆様は、TBS系のドラマ「99.9-刑事専門弁護士」というドラマをご存知でしょうか。

ジャニーズのタレントさんが演じる刑事事件専門の弁護士が、依頼者の無罪を勝ち取るために、丁寧に事件の検証を続け、真実を追い求めるために奔走する姿を描いたドラマです。

私は、依頼者の皆さんが、弁護士や裁判制度に対してどのようなイメージをお持ちなのかという感覚を知るためにも、弁護士を題材にするドラマや映画はできるだけ見るようにしており、本作も一通り見ていました。

弁護士を題材にする作品の中には、いまだに裁判官が木槌を持って「静粛に!」などとやっている場面があったり(日本の裁判所には木槌はありません)、「異議あり!」を連発する場面があったり、見ていて全くリアリティを感じられない作品もあるのですが、本作は比較的リアルに作りこまれており、毎回楽しく見させていただきました。

本年1月14日(日)から、そのTBS系のドラマ「99.9-刑事専門弁護士」のSEASONⅡが始まりまるそうです。以下、TBSホームページの紹介文です。

『本作は、個性的な刑事専門弁護士たちが、ぶつかり合いながらも逆転不可能と思われる刑事事件に挑んでいく新感覚の痛快リーガル・エンターテインメントドラマ。タイトルの「99.9」は、日本の刑事事件における裁判有罪率(起訴された際に裁判で有罪になる確率)を示している。世界一の有罪率を誇っており、日本の司法制度の高い信頼性の証明ともいえるが、そこには大きな落とし穴が隠されている。一旦起訴されると検察の考えたストーリーが正しいと鵜呑みにされがちなのだ。さらに、刑事事件を専門に扱う弁護士の数も極端に少ないため、丁寧に検証することは極めて困難となってしまう。しかし、たとえ99.9%有罪が確定している事件でも、残り0.1%が確定しない限り、それは本当の意味で“事実”に辿り着いたことにはならない。本ドラマは、最後の0.1%まで諦めず事実を追い求めていく弁護士たちの姿を描いた物語である。』(引用:TBSホームページ「http://www.tbs.co.jp/999tbs/intro/

「99.9」が意味すること

ドラマのタイトル「99.9」というのは、日本の刑事事件において、起訴された場合に有罪となる確率だそうです。

起訴されると99%以上が有罪になるという統計は事実であり、それは、ひとたび起訴されてしまうと、仮に否認をしてもほぼ確実に有罪になることを意味します。

無罪を主張する被告人や弁護人にとっては、非常に厳しい現実です。

しかし、それは、検察庁が、確実に有罪であるという証拠がある件でしか起訴しないようにして、起訴段階で、えん罪を生み出さないように非常に慎重な判断をしていることの表れでもあるともいえます。

したがって、個人的には、99%以上という高い有罪率は、決してネガティブにとらえられるべき数字ではないと思います。

 

 

現実の弁護人の活動

本ドラマの弁護士は、無罪を勝ち取るために奔走します。しかし、現実の弁護人の活動は、無罪を勝ち取るための活動だけではありません。

むしろ無罪主張をする事件は少なく、多くの事件では、裁判で被告人の反省を引き出したり、家族に被告人の更生を助けるように約束させたり、被害者に被害弁償をしたりといった活動が弁護活動の大半を占めます。

弊事務所に所属している弁護士は、刑事専門弁護士ではありませんが、全員が刑事事件も取り扱っています。私も、刑事事件を得意分野としており、常時複数の刑事事件を手掛けています。

刑事事件では依頼者との接見(警察署での面会)、事件記録の内容把握、被害弁償や示談契約の締結、証拠の収集、証人との打合せ、相手弁護士との電話、検察官への意見書提出、裁判への出廷など弁護人の仕事は多岐にわたります。

また、ドラマではあまり描かれることはありませんが、実際の事件で重要なのは、裁判が終わった後の長い人生で、どのように更生していくかという問題です。
私は、弁護人を務めるに際しては、常に、事件が終わった後の被告人のライフプランも念頭に置きながら弁護活動を行っています。

ドラマでは、演出もあって、主人公の弁護士は毎回のように無罪を勝ち取りますが、現実はそれほどうまくいきません。しかし、依頼者のためにベストを尽くすという信念は、ドラマの弁護士と同じように強く持っています。
本ドラマのように、メディアで弁護士の姿がリアルに描かれるようになったり、弁護士の数が増えたこともあり、昨今では、弁護士を身近に感じていただける方が増えてきたのではないでしょうか。

刑事事件、民事事件に関わらず、法律問題でお悩みの際には、是非早めにご相談になることをお勧めいたします。

弊事務所の弁護士が、全力で紛争解決に向けたアドバイスをさせていただきます。

 

 

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