自分で遺言書を書く場合の注意点はありますか?
質 問
自分で遺言書を書こうと思うのですが、どういった点に注意すればよいのでしょうか。
回 答
自分で遺言書を書くことを、「自筆証書遺言」と言います。
この自筆証書遺言を有効にさせるためには、法律でいくつかルール決まっているので、注意が必要です。(遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言がありますが、これらの内容は「遺言書の種類」のページで解説しておりますので、そちらをご覧ください。)
美咲総合法律税務事務所
①自筆証書遺言は、文字通り、自筆をする必要があります。パソコンなどを使って作成することはできません。
②作成日を「平成●年●月●日」と正確に記載しなければなりません。
③押印を忘れずにします。
七月吉日と日付を書いたり、拇印ではだめでしょうか。
相談者
美咲総合法律税務事務所
裁判例上、作成日が「七月吉日」という記載は、日付の記載として不十分であると判断され、遺言が無効となったケースもあります(最高裁判所昭和54年5月31日判決)。
指印でも足りるとした判例もありますが(最高裁判所平成元年2月16日判決)、印鑑を押した方が無難でしょう。
美咲総合法律税務事務所
ざっと挙げるだけでも以上のような決まり事がありますし、これ以外にも内容面でも注意しなければならない点は多数あるため、ご自分で作成された場合には、後日遺言が無効と判断されるリスクがございます。
実際、当事務所に遺言関係の相談にお越しになる方の中には、遺言の内容が不明確で、遺言として意味をなさないものも見受けられます。遺言の作成に関心をお持ちの方は、まずは当事務所にご相談いただいた方がよろしいかと存じます。
民法 第968条
自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。 2 自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。 |