成年後見制度とは何ですか?
質 問
成年後見という言葉を聞いたことがあるのですが、これはなんですか?
回 答
成年後見制度とは、認知症等の影響により判断能力が低下した方(「本人」といいます)について、裁判所が選任した人(「成年後見人等」といいます)が本人の権利利益を保護する制度のことです。
具体的にはどういったものがあるのですか?
相談者
美咲総合法律税務事務所
先ほど「成年後見人等」といいましたが、判断能力の程度によって、本人を保護する人は「後見人」「保佐人」「補助人」という類型化がされています。判断能力が全くない方には「後見人」、判断能力が著しく不十分な方には「保佐人」、判断能力が不十分な方には「補助人」という分け方がされています。
この成年後見人といった人たちは、具体的にどのような仕事をするのですか?
相談者
美咲総合法律税務事務所
例えば、後見人でいいますと、以下の図のような関係になります。
成年後見人に選任された人は、本人の生活状況に配慮しつつ、本人の収入(年金など)や支出(医療費や介護施設利用料の支払いなど)といった財産管理を、本人に代わって行います。成年後見人が関与せず、本人がした契約は後から取り消すことができます(民法9条。ただし、日用品の購入などは除きます。)
成年後見人に選任された人は、本人の生活状況に配慮しつつ、本人の収入(年金など)や支出(医療費や介護施設利用料の支払いなど)といった財産管理を、本人に代わって行います。成年後見人が関与せず、本人がした契約は後から取り消すことができます(民法9条。ただし、日用品の購入などは除きます。)
成年後見人などが就任した場合、本人ができなくなることはありますか?
相談者
美咲総合法律税務事務所
たとえば、成年後見の場合、財産管理の全般について後見人に代理権や取消権が与えられることにありますので、その限りで本人のできることは制限されます。保佐の場合も同様で、特定の事項について保佐人に同意見や取消権が与えられるので、本人の行えることは限られてきます。
成年後見人などが就任した場合、上記の他に何か本人に不都合はありますか?
相談者
美咲総合法律税務事務所
後見や保佐の場合は、一定の資格制限があります。例えば、医師や税理士、弁護士等の資格を失いますし、公務員にもなることができません。ただし、こういった資格制限についてはかねてから問題視されており、今後資格制限が廃止される職業もでてくると考えられますので、法令の改正状況を確認する必要がありますね。
(成年被後見人の法律行為) 第九条 成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。 |