HOME > よくあるQ&A > 成年後見について > 成年後見業務の注意点

成年後見業務の注意点

質 問

成年後見人の業務については、さきほどの質問で理解できました。
何か注意すべき点はありますか?

回 答

美咲総合法律税務事務所
美咲総合法律税務事務所
たとえば、お父さんがこれまで一人暮らしをしていたけれども施設に入所することになって、これまで住んでいた自宅を維持する必要がなくなったとします。この場合、自宅を勝手に処分して良いのかというと、そうではありません。
法律上、自宅の処分にあたっては家庭裁判所の許可が必要になります(民法859条の3)。住んでいたアパートの賃貸借契約の解除についても同様です。
それ以外にはありますか?
相談者
相談者
美咲総合法律税務事務所
美咲総合法律税務事務所
成年後見人は、成年被後見人のために財産を管理する立場にありますから、本人(成年被後見人)の利益に反するような行為は基本的にはできません。
たとえば、親族に対してお金を貸したり、贈与をする行為は、被後見人の財産を減少させるおそれがありますので、基本的にはできません。

ただ、贈与と言っても、孫の入学祝など、金額が少額で、関係性からして贈与しても相当だと言う場合には、認められることはあります。

当然のことですが、後見人の財産を自分の利益のために費消することは横領であって、許されません。この場合、業務上横領罪として刑事責任を追及される可能性がありますし、成年後見人を解任され、損害賠償請求がされることが考えられます。

 

民法859条の3
成年後見人は、成年被後見人に代わって、その居住の用に供する建物又はその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。第860条
第八百二十六条の規定は、後見人について準用する。ただし、後見監督人がある場合は、この限りでない。第826条
親権を行う父又は母とその子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
2 親権を行う者が数人の子に対して親権を行う場合において、その一人と他の子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その一方のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。

 

関連記事はこちら